絶望を乗り越えるために必要な「想像力」の働かせ方
独身、孤独、若かった頃のように仕事にも打ち込めない。以前楽しめていたことも歳のせいか楽しくない・・。今さら、この歳で結婚もできないだろうし、生き甲斐なんて一朝一夕に見つかるものでもない・・。私の生き方、なんか間違っていたのかな?
かつて絶望の真っ只中にいた私がふと手に取った本に「絶望を乗り越えるために必要なのは想像力だ」と書いてあったことを思い出しました。政治や経済など様々な局面で時代が大きく変わろうとしている今、個人レベルよりももっと大きなスケールでこれから先、どんな未来が待っているのか、漠然とした不安を抱えているのは私だけではないはず。この記事では、絶望を乗り越えるための想像力について考えてみたいと思います。
避けられない時代の波を目前に最も大切な備え
先日、参加したあるセミナーでの話。どうやら、2025年から私たちの世界はいよいよ本格的な変化の時を迎え、これまでの常識や価値観が根本から覆されるような時代の幕開けに差し掛かっているようです。占星術の世界でも、これから数年間は社会に様々な変化が起こるであろうことが予測される星の動きになっています。例えば、つい先日、冥王星が山羊座から水瓶座に移動し、2020年頃から言われていた『風の時代』が本格的に始まりました。実は、冥王星以外にも天王星(2025年7月に牡牛座から双子座へ)や海王星(2026年1月に魚座から牡羊座へ)といった『時代天体』と呼ばれる惑星たちが、これから次々と星座間を移動していくのです。こういった『時代天体』が動く時は、社会の仕組みに大きな変化が起こったり、これまでの常識が覆されるようなことが起こったりすると考えられています。
例を挙げると、アメリカで南北戦争が勃発した1861年は夢やビジョンを司る海王星が魚座から牡羊座に移動した年でした。翌年にはリンカーン大統領が奴隷解放宣言をしました。当時の人にとってはかなり経済活動を揺るがす衝撃的な出来事だったでしょうね。改革や革新を表す天王星が魚座から牡羊座に移った1843年には日本人なら誰でも知っている大きな出来事がありました。なんだと思いますか?「黒船来航」です。鎖国から開国へと時代が一挙に動いた出来事でした。
このように時代天体が動く時というのは歴史に残るような大きな出来事が起こり世の中が大きく変わっていくタイミングなんですよね。そんな星たちの大移動が、2025年から2026年にかけて起こるのです。どんな出来事が起こるのか、神のみぞ知る!ですけど、良くも悪くもこれまでとは違った世の中になっていくことは避けられそうもないことがお分かりいただけたと思います。
人は予期せぬ出来事が突然身に降りかかってきた時、パニックになり思考停止に陥ってしまいます。或いは、絶望に打ちひしがれ抵抗する気力もなくし、変化の大波にそのまま飲みこまれてしまうこともあるかもしれません。それを「運命」として受け入れる考え方もそれはそれで間違ってはないと個人的には思うのですが、ただ不安に怯えて何もしない、というのも違う気がします。やはり人として命を与えていただいた以上、人生に対して主体的に向き合う態度、自分にできることはやることも大切だと思うのです。まさに『人事を尽くして天命を待つ』ですね。災害などに備えておくことももちろん大切ですが、どんなことが起きても揺るがない心、自分自身を信じることのできる心、といった「強い心の土台」を作っておくこと。これが最終的には一番なのではないかと思います。
絶望時に必要な「想像力」とは?そしてその働かせ方とは?
ロゴセラピーの創始者であるヴィクトール・フランクという精神科医をご存知でしょうか?
彼は第二次世界大戦中、ユダヤ人強制収容所に入れられ両親や妻をナチスに殺されながらも生きる希望を見失わず生還した人です。彼は絶望の中にあっても、人間には『想像力』によって自分の置かれた立場をどのように捉えるかを選ぶ自由が残されている、と考えました。私たちを絶望から救ってくれる『想像力』とは具体的にどんなことなのでしょうか?そしてその「想像力」は具体的にどのように働かせるのでしょうか?
- 現状を冷静にかつ客観的に把握するのための想像力:
- 客観的な視点: 目の前の状況を客観的に捉え、何に対して絶望を感じているのかを明確にしましょう。頭の中だけで考えるのではなく書き出してみてください。言語化する、という行為そのものが物事を客観的に捉える大きな助けになります。
- 感情の整理: 悲しみ、怒り、不安といった様々な感情を一つ一つ洗い出してみてください。そして、何に対してそれらの感情を感じているのかも整理しましょう。ここでも、書き出す、という行為がとても役に立ちます。書くことで、感情が発散され気持ちが少しスッキリします。
2. 可能性を見出すための想像力:
- 新たな視点: 新しい視点で状況を捉えてみてください。物事には良い面と悪い面の両面が必ずあります。一見、絶望的に見える状況の中にも、何かしらポジティブな面を見出せるかどうか、希望を見出せるかどうか?それはあなたの思考の柔軟性にかかっています。例えば、私の場合で言えば、結婚→渡米→別居→離婚という経験で、仕事も住む場所も失い、多大なエネルギーと時間を使ってしまいましたが、本場のアメリカでコーチングを学ぶ機会に恵まれたり、自分の働き方に対して見直すことができたり、結婚しなければできなかった経験をたくさんすることができました。
- 代替案の発見: 絶望的な状況を乗り越えるために、あなたにできるどんなことがあるでしょうか?様々な選択肢や可能性を想像し、今の状況に対して自分ができることを考えてみてください。どんな小さなことでも構いません。仕事や家庭生活に不満があるなら、自分を満たすための趣味を見つける、とか。
3. 未来を描く想像力:
- 目標設定: 絶望的な状況を乗り越えたら、将来どのような状態になりたいのか、具体的な目標を設定したり夢や願望をできるだけ自由に思い描いてみてください。現状が辛い時ほど、改めて自分はどうなりたいのかを考える絶好のチャンスです。だからこそ人生が広がっていくし前に進んでいくと私は思っています。
- ステップを踏む: 目標達成のために、どのようなステップを踏めば良いのかを考えてみてください。ここでのポイントは、スモールステップにする、ということです。先ほどの例で言うと、「趣味を見つける」という目標に対して、まずはインターネットで「趣味」と入れて検索してみる、といったような、簡単にできるハードルの低いステップを考えて行動に移してみてください。最初の一歩を踏み出すことで勢いがつくこともあります。大切なのは、ただ漠然と未来を想像するのではなく、具体的な行動に移せるような想像力を働かせることです。
4. 自己肯定感を取り戻す想像力:
- 過去の成功体験: これまでの自分自身の成功体験を思い出し、自己肯定感を高めましょう。あなたが何歳であれ、これまでの人生をふりかえってみると大変だったこと、絶望的に感じたことが一つや二つは必ずあるはずです。一生懸命、記憶の糸をたぐって思い出してみてください。それを乗り越えてきたからこそ、今のあなたがいるのです!どんなことをどんなふうに乗り越えてきましたか?
- 強み発見: 自分の強みや才能を改めて認識し、自信を持ちましょう。どんなに落ち込んでいる時でも睡眠だけはしっかりとることができる、とか、辛い時こそ俄然やヤル気が湧いてくる、など。自分では当たり前にできてしまうのでわかりにくいかもしれませんが、周りの人に聞いてみてみると自分では全く気づかなかったあなただけの強みが見つかるかもしれません。
5. つながりを想像する力:
- 周囲との関係: 今、あなたがどんなに孤独を感じていたとしても、あなたは全くのひとりぼっちではないはずです。職場の同僚、学生時代の友人、家族など、疎遠になってしまっているかもしれない人たちに勇気を出して自分から連絡を取ってみてはいかがでしょうか?個人主義があまりにも主流になってしまった現代ですが、人と人とがつながり助け合い調和して生きていく社会へと変革が求められているのかもしれません。
- 社会とのつながり: 社会の一員として、自分がどんな貢献ができるのかを想像してみてください。誰かに助けや協力を求めるのが苦手だから、孤独を抱えていても自分から人にアプローチするのは苦手、という人は特に、自分が誰かのために貢献することを考えてみてはいかがでしょう?極端な話、人でなくても自然や動物のために何かしてあげる活動を通して人との繋がりを作っていくこともできるのではないでしょうか?
絶望の淵に立たされた時、これらの想像力を働かせることで、私たちは新たな希望を見出し、一歩を踏み出すことができるかもしれません。大切なのは、ただ漠然と未来を想像するのではなく、具体的な行動に移せるような想像力を働かせることです。
まとめ
絶望という暗いトンネルの中にいる時、想像力は私たちを導く光となります。それは、単に未来を夢見るだけではなく、現状を客観的に見つめ、新たな可能性を探求し、そして自己肯定感を高めるための力です。この想像力を育むことで、私たちは困難を乗り越え、より豊かな人生を築くことができるでしょう。もし、あなたが今、絶望を感じているとしたら、今回、挙げた想像力を一つでも働かせてみてください。